屋久島(yakushima)

2017年屋久島裏縦走のこと

今を生きる。

そう実感した出来事だった。

2018年12月20日、屋久島に引っ越してきました。屋久島には年に1回1か月ほど滞在をする度を4回しました。

旅の中でも特に印象深い2017年8月に書いた裏縦走の記事を加筆修正してここに記しました。

 

2017.7.25~31日、6泊7日の屋久島裏縦走ツアーに参加しました。

里でテント2泊、山中泊4泊する旅です。

九州最高峰の宮之浦岳、永田岳、黒見岳など歩いていきました。

里から始まる初日は川に入り、夜は裏山(といってもガイドさんの家の敷地!)でたき火を囲みました。

2日目から森の中へ。そして山へと入っていきます。

山の中に水道はありません。川の水を汲んで飲みます。

電気もない森、夜は真っ暗。目が慣れてもひたすら闇です。

少しの物音も遠くまで響きそうな静けさ。

大きな杉、包み込まれそうな苔のみどり。

そっと木々を覆っています。

自然は偉大です。そして自然は人にとって都合のいいものでもありません。

 

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2017.7.27 屋久島にて撮影(カメラ:FUJI X-E1)

 

山に行けば人は外からやってきた新参者である。

失礼しますと声をかけ、よろしくお願いしますと挨拶をしてその空間に入れてもらう。

ありがとうと素直に言えないと、何かにつまずくことになりそうだ。

木々や虫たちは偉大なる先輩である。

人は吹けば飛ぶような存在だなぁ…わたしの人生はどんなに長くてもこの木の小さな枝ほどか。

木肌に触れて生命の深さを感じた。

都会で暮らすこと、豊かな自然の中で暮らすこと。

正解は無く、否定することも何もない。

自分のフィールドは自分で選ぶ。その責任をしっかり引き受けていればどこにいても大丈夫だろう。

そこには心の解放も引寄せも必要はない。

「調和と社会性」を受け入れることができているか否か、それだけだ。

自然に溶け込むように生きることが「今」を生きることなのだろう。

 

2017.7.29 屋久島・黒見岳山頂にて撮影(カメラ:FUJI X-E1)

 

自分の命を引き受けること。

山から戻り、頭の中に浮かんできた言葉です。

心と体をつなぐものは何なのだろうか?

生きていることを楽しむってどういうことなのか?

どんなことを仕事にするか、今より収入を増やす、自分らしく・・・違う、今はそこではない。

そんなところに引っかかっている場合ではないと感じた。

自分本位ではなく、家族・友達・仕事仲間・地域の人たち・・関わる人や環境、私たちが住んでいる地球とうまく付き合っていくにはどうすればよいか?

そこにもっと目を向けていきたい。

人や住まい、地域と「つながる」「調和する」「協調性を持つ」ことから生まれてくるもの。

いつの間にか仕事やライフワークになっていたりすることは、ひとり生み出すことはできない。

誰かがいて、初めて生まれるものではないだろうか。

 

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2017.7.29 屋久島・黒見岳山頂にて撮影・縦走仲間と共に(カメラ:FUJI X-E1)

 

「自分を信じること」と「相手を信じること」は同じ。

山を登っている時に強く感じたことでした。

辛いときに素直に助けてといえますか?「いや、大丈夫。頑張れます」そう言ってしまう自分はいったい何を頑張っているのだろうか。

本音を出すこととワガママの違いとは何だろう?ひとりの登山だったら気が付かなかったことだと思う。

先頭を突っ走ることが多かったけけれど、縦走ツアーでは思わぬ体調不良で思うように動けずついていくので精一杯だった。

迷惑をかけているんじゃないか・・・あれこれ頭の中で考えたけど、素直にお願いします!と言ったら心も体も一気に軽くなった。

お願いしても大丈夫、そう思えたのは相手への信頼感があるからだった。お願いすれば最後まで歩ける、自分を信じることもできた。

そして素直に「ありがとう」と言える人でいたいと感じた。

 

牛床詣所(カメラFUJI X-E1 )

 

屋久島は年に一回旅をする場所だった。それがひょんなきっかけで住むことになった。

タイミングが単によかっただけかもしれない。このタイミング、いつどこからやってくるのか全く分からないよね。

流れに乗ってやって来た屋久島。これからどうなるか分からないけど楽しんで暮らしたい。

屋久島で定住する、というよりは長い旅に出ているという感覚でいます。だから「旅のくらし」という言葉が似合うと思ってタイトルにいれています。

これから屋久島へやってくる方、再訪する方、いつも訪れている方、いつか行ってみたいと思っている方…

このサイトが屋久島にくるきっかけになったら嬉しいです。

 

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