どうしたら売上げが伸びますか?
こういった質問をよくされます。どうやったら売れるのか?なんて言って売っているの?
どうして売り上げ伸びているの?
この質問をもらったらこう答えます。
「まず嘘はつかないこと」
何事もそうですがついた嘘は百害あって一利なし。荷物にしかなりません。
そして嘘がばれそうになるとばれないようにさらに嘘をつきます。
利害関係があっての嘘を正直に「嘘でした、ごめんなさい」と言える人は残念ながらあまり多くはありません。
自分が付いた嘘を全て心にしまって墓場まで持っていける人はそれほど多くないのではないでしょうか。
持っていけたとしても沢山は難しいでしょう。人によって容量は違いますが1〜2個くらい?
どうでしょうか?
そして不思議なことに人は自分の嘘を喋りたくなるときがあります。聞いてもいないのにです。
嘘は重荷、積もれば積もるほど圧迫されていきます。だからどこかで手放したくなるのかもしれません。
関係のない人に喋ってみることで重荷を減らそうとしている、そんなことありませんか。
もしかしたら嘘を喋りたくなるのは人間の性なのかもしれませんね。
あなたはそのウソの重荷に耐えられますか?
嘘=知られたくない秘密
だとしたらなぜ知られたくないと思うのでしょうか。
バレたら相手が怒るから?傷つくから?信用を失うから?
自分の身を守りたくてつくのが嘘だとしたら自分をよく目せたくてつくのも嘘です。
誰かに見破られるかもしれません。それにビクつきながら嘘を重ねる人もいます。
結局どこかでばれる嘘ならそう簡単に増やしたくはないものです。
日々の些細な嘘、これは厄介なものだと思います。知らず知らずのうちに重くのしかかります。
営業や販売の人は口がうまいなんてよく言われます。
口がうまいというのは本心でもないのに口先だけと思われているのかもしれません。
しかし、口だけではなく相手の心に響く話し方をすることでお互い気持ちよく話して通じることができればいいい気分になります。
嘘と思われない伝え方、相手にしっかりと伝わる話し方をすることでお客様の満足感は変わってきます。
これは販売のみならず、友人や家族・大切な人に思いや気持ちを伝えるときにも必要ですね。
販売のコツで、とにかく褒めるというのがあります
口がうまい、と言われやすい理由のひとつに率直に褒めることが挙げられます。
お客様のいいところを声に出して褒めるのです。人から褒められることってそれ程多くはないと思います。
「素敵ですよ」なんて言われれば誰だって気分がよくなります。するとじゃあ買おうかななんてなりますよね。
相手を持ち上げるというのは営業の常套手段です。
ちょっと考えてみると・・・
こんな話があります。
何色のスカートを買うか悩んでいるお客様が目の前にいます。あなたはそのお店の販売員です。
お客様は紺色のスカートもいいけど赤もいいなと迷っています。更に色違いでもうひとつ白もありました。
3色あります。
一番の売れ筋は紺色です。白も人気です。どちらも生産量は多いのですがよく売れているので在庫が少ないです。
赤は差し色、アイキャッチ目的で並んでいました。生産量は少ないのですが個性的でまだ1枚も売れていません。
赤に興味を示すお客様はあまりいません。普通に売りにくい色でこのままだと在庫が残ってしまいそうです。
最初に紺色のスカートを探していると言っていたお客様。
しかし、ちょっとお勧めしたら赤もいいかも!と迷い出しました。
さて、質問です。ここであなたは何色をお勧めしますか?
①お店の在庫を考えるなら赤を売りたいところ。だから赤をお勧めする。
②最初に紺色が欲しいと言っていたから素直に紺色を勧める。
③あなたは白が似合うと思ったから、私の販売力てひっくり返す!と決めて白を勧める。
さて、あなたならどうしますか?
では次に、あなたがお勧めすると決めた色をどうやって購入してもらいますか?
何といえば購入してもらえるのでしょうか?ちょっと考えてみてください。
②の紺色をすすめる場合、
お客様の最初の目的と一致しているのでお勧めしやすいはず。白は選択肢にないのですぐ外れますね。
3色持っていって「白は違いますよね」と言って抜い紺色と赤の2択にします。(これをわざわざやることでお客様の決定率が上がります)
「どちらにしますか?最初に紺色を探していたんですよね」と促すと確かに!と納得しやすい場面です。
なぜ紺色が欲しいと思っていたのかこちらから聞いてみましょう。お客様自身が話しているうちに考えがまとまりやっぱり紺色だなと決まりやすいです。
この場面で販売員はお客様が思っていたことを引き出すことに集中しています。紺色がいいと言ったのはお客様です。その気持ちを引き立て素直に同調することですんなり進みやすくなります。
それにここで「やっぱり赤にします!」と心変わりしたところで赤は在庫もあります。
販売員の立場からすると困ることはありません。お客様が気に入ったものを選べてよかったなと思うことでしょう。ですからどちらに転んでもいいわけです。
販売員があれこれ余計なことを考えなくてもいいですし、無理に頑張って褒める必要もありません。
褒めることは大切です。ただ、売りたいためにあくせくして感情のない言葉で褒めるとお客様の気持ちは冷めてしまうので要注意です。
①売りにくい赤をすすめる、③選択肢にない白をすすめる、どちらも販売員の提案力が重要になってくると考えると気合いが入ります。
こちらが主導権を握らないと最初に紺色がいいと言ったお客様の気持ちをひっくり返せないと思うからです。
あなたなら何と言って販売しますか?
売りたいばかりに似合ってもいないのに「お客様にお似合いです、ぴったりですよ。」とか「赤は売れ筋なんです。」なんてどうでもいい口だけの嘘を言ってしまいやすい場面が①です。
①と③の場合、売りたい理由が販売サイドの都合だというのが嘘に繋がりやすいとも言えます。
お客様のためでなく在庫があるから売りたい、だからどうにか買ってもらおうという気持ち。
お客様の気持ちは考えないで売ることだけを考える。必死になるほど「似合っている」という言葉も嘘になってしまう可能性が高いのです。
お客様は購入後やっぱり似合っていない気がすると思い着なくなってしまうかもしれません。
こんなことありませんか?似合うって販売員の人に散々褒められて買ったのに違和感があって結局着なかった服。
似合わない服をお勧めされ買ってしまったお店にまた行きたいと思うでしょうか?買ったと言うより売りつけられた、買わされてしまったとマイナスイメージを持ってしまうことすらあります。
それに思ってもいないことを言った販売員も言葉とは裏腹に似合ってないな・・と心の中で思っているはずです。
そして売れたとしても何だか嬉しくないのです。充実感を感じないことを続けていると仕事が楽しくなくなります。
本心ってやっぱりバレます。
仕事が楽しくない→売りたいから嘘を続ける→もっと仕事が楽しくなくなるという悪循環と共に、心のこもっていない言葉を発し続けることで自分の気持ちが不安定になってしまいます。
マイナス要素をプラスに変える
では、どうすればよいか。
嘘を言わなくてもいい、プラスに見えることを伝えればいいのです。
先ほどの例で①売りにくい赤をすすめるなら
赤は一枚も売れていない→この色持っている人は少ないんですよ!なかなかお似合いになる人はいないんです。
マイナス要素をプラスに変えてお話するとたちまち商品のアピールポイントになります。
逆に言うと、紺色は人気で売れているんですけど持っている人も多いから被ってしまうこともあるかも・・でも赤なら生産量も少ないですしレアな色ですよ。今シーズンの限定カラーなんですよ。
こんな風におすすめできます。
更にお客様に似合っていると本当に思ったら心を込めて「とってもお似合いです」としっかりお伝えしましょう。
もしも、うーん、いまいちだなと思ったらお客様に「いかがですか?」と素直に聞いてみるといいですね。
お客様が「かわいい!これいいですね」と気に入っていれば「気に入っていただけましたか。嬉しいです」と同調できます。ご本人が気に入っていると分かればわざわざマイナス要素を言う必要はありません。
お客様から「販売員さんはどう思いますか?」ときかれたらどうしますか?
私なら「お客様が気に入った好きなものを選ぶのが一番だと思います」と答えます。ここに嘘はありません。
最終的に購入するか決めてお金を払うのはお客様です。決めるのは全てお客様。
ならばご本人が気に入ったものを選ぶのがいいと考えます。
「似合うと思いますか?」と聞かれたら素直に「紺色の方がお似合いだと思います」と言うか、
「今日のお客様の履いている靴の色ともぴったりですね」など自分がお客様が赤いスカートを履いたときにいいなと思うポイントを見つけてお答えします。
このどちらかにします。基本的には後者を言いますが、場合によっては素直に思ったことを言うことにしています。
人から見てどうみえるのか?ということを意識しているお客様でその本音を聞きたかった、そうおっしゃる方も実際にいらっしゃいます。
紺色が似合うと販売員が思っていたとしても、お客様が赤がいいと思ったならば赤を購入することが実際に多いと思います。決めるのはお客様ですからね。
「似合わない」などとマイナスの言葉は使わないようにします。プラスになる、よく見える部分にフォーカスを当てることで本心を伝えます。そうすると嘘を言わないようになります。
マイナスは必ずプラスに置き換えられます。似合っていると思わないのに「似合ってます」と嘘をつくくらいなら「この白いブラウスと合わせればもっとかわいいですよ」とプラスの提案することで気持ちが変わります。
プラスの提案を重ねる
さて、最後になりましたが③の全く選択肢にない白をお勧めする場合です。
②と同じくプラスの提案をしていきます。
「実は隠れた人気色は白なんですよ」と白のスカートを持っていきます。
その時にお客様が着ている洋服や靴と色が合いそうなら「今着ている服に合わせられますよ」と実際に着るときの具体的な提案ができます。
「お考えではなかったのかもしれませんが私はこの色がお客様に一番似合っていると思うのです。自信を持ってお勧めできます」とはっきり言えます。
白が似合うと思ったからおすすめするという動機があるので素直に褒められますよね。
上記の①と同じようにプラスのポイントをいくつも伝えればもしかしたら心変わりするかもしれません。
似合っているからおすすめしたい!という気持ちはお客様にとって自分をよく見てくれている、と好意的に受け取られることもあります。
ただし、自分が気に入ってほぼ購入をきめていたのに余計なことを言ってきて・・と不快にさせてしまう場合もあるので販売員側の押し付けにならないようによく見極めてください。
これで白を購入し、もし友達に「その白のスカート素敵ですね」なんて出来事があったとしたら客様はいいものを購入したとさらに満足します。
そうするとまた次もお店に足を運んできてくれるかもしれません。
ただ、お客様の意思と反するものをおすすめすることはそれなりの時間と労力が必要です。
販売員側がおすすめしたものを購入していただくにはお客様とどれだけコミュニケーションが取れるかにかかっています。ですので難易度は高いと言えます。
販売のセオリーでいうと②の最初に欲しいと言っていた紺色をおすすめするのが比較的短時間で決定率が高いと思います。
嘘をつかないこと、それはプラスの要素を見ていくこととおなじです。
①②③いづれの場合もプラスに見えることを提案することでお買い上げに繋がりやすくなります。
つまり、売上が上がっていくことになるのです。
コミュニケーションの大切さ
販売のみならず普段の生活でもこういったコミュニケーションは取っています。
同じ事柄でも見方を変えれば言葉も心も変わります。
思ってもいない言葉を口に出すくらいなら一呼吸おいて反対側からどう見えるのか?
一度確認してみるとまた違った世界がみえてきますよ。
嘘よりも本心の方が相手にまっすぐに強く伝わるのではないかと思っています。
自分の気持ちに忠実でいること、忘れずにいたいですね。
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